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2011年5月10日 (火)

「海の壁(吉村昭)」を読む

東日本大震災で、津波の恐ろしさを痛感させられましたが、40

年も前に警告を発した作家がいました。その作家とは吉村昭氏

です。氏は1970年に「海の壁 三陸沿岸大津波」と題した新書

版の書を世に出していたのです。

吉村昭氏と云えば「戦艦武蔵」「白い航跡」「紅の翼」「ふぉ

ん・しぃほるとの娘」などの名作で知られた作家ですが、この

ような作品があったとは寡聞にして知りませんでした。

あの大災害の後で、津波に関わる資料を図書館で探していて偶

然のようにして見つけたのが本書ですが、その内容を一読して

驚きました。正に今回の惨害についての警告の書であったから

です。

この書は小説の形式を採っていません。資料を渉猟し古老の体

験談を聞いて纏めたもので、今日風に云えばルポルタージュ記

事でしょうが、氏は「津波に関わる地方史」と位置づけてい

ます。

内容は、明治29(1896)の津波、昭和8年(1933)の津波、

チリ地震津波(1960)の3件について災害の規模・人々の行

動・復興と対策などを詳述しています。

私なりに気が付いた事項は、

1.  前兆として大漁・沖合いに発生した怪音怪光・井戸水の濁

りなどの異変。

2.  必ずしも地震から津波というプロセスでは無く、不意に津波

が襲った事例。

3. 当時でも10mを越えた津波、時には50m超も。

4.  災禍を記録し、後世に伝えようとした在野民間の有志の人が

いた。

5.  事後に大防潮堤が幾つも建設されたが、それを超えた例もあ

った。

などです。内容の詳細をお知りになりたい方は図書館などで閲

覧して下さい。

40年も前に、このような書物を著した作家の慧眼・先見性には

感服させられます。

                        以上。

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