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2012年1月17日 (火)

No.19:懐かしの珍品カメラ

年末の整理の際に、嘗て愛用したカメラの資料が出て来ました。カメラ
そのものは、既に手元に有りませんが、カタログ・説明書の類は残って
いたのです。

そのカメラは「アルコ35J」と云い、連動距離計付の蛇腹式スプリング
カメラでした。フィルムは35ミリを使い、いわゆるライカ判でした。

Arco35j

このカメラの最大の特徴は、35センチの至近距離まで、連動距離計
が動作する事でした。当時のカメラは1メートルが限度とされ、ライカ
やコンタックス級の最高級品でもそうでした。

Arco35view_2

至近距離での撮影が出来るという特徴は文献資料などの複写に威
力を発揮しました。1950年代には海外から伝わる技術文献は貴重な
ものでしたから、逸早く手に入れて読破する必要が有りました。

海外出張の機会に恵まれた大学教授や国立研究所の研究者が持ち
帰ったという話が伝えられると、「お宝拝見」とばかり参上して見せて
もらったのです。その時に我が愛機アルコ35が活躍しました。
念の為に云うならば、コピー機は未だ普及していなかった時代です。

35センチまで接写出来るのですから、A4判の学術資料の撮影には
ドンピシャリでした。問題は透視ファインダーの視野と、実際の撮影対
象の間に視差(パララックス)を生ずることでした。

この対策として、視差補正のファインダーが付属していました。上の写
真は、それをアクセサリー・シューに装着した状態です。
次の写真は二眼レフ式のファインダーを装備した図です。これも視差
補正の機能は備えていました。

老生はこのカメラを持ち、海外から持ち帰った学術資料の複写に努
めました。さらに云うならば、撮影後の処理も自分で行いました。外部
のDPE屋さんに頼んで紛失したら取り返しがつかないからです。

Arco35automat
このカメラは老舗のカメラ・メーカーの製品では有りませんでした。
何と寺岡衡機という計測器メーカーが開発したのです。それだけに既
成のメーカーとは一味も二味も異なる特徴を出したのでしょう。

残念なことに、モデル・チェンジして自動化を進めたアルコ35オートマ
ットを発表しましたが、激しい競争には耐えられなかったようで、10年
足らずで業界から消えてしまいました。(上の写真)

今日、カメラ史の類を見ても殆ど記載が有りません。いわゆるクラシッ
ク・カメラ愛好者の回想記にも登場しません。
しかしながら、老生はその接写機能を活用し、幾多の資料を手にして
研鑽を重ねたことを、懐かしく思っています。      <以上>

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