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2013年5月17日 (金)

No.83:航空機と郵便切手 (9)

「航空100年記念切手」

2010年に「航空100年記念切手」が発行されました。日本において初飛行が成功してから100年が経過したわけです。この間の航空機の進歩発達は驚くべきものがあり、世界の経済・社会から一市民に至るまで大きな影響を受けました。この間の発達を振り返ると共に、将来への展望を秘めて、記念切手を発行したと思われます。

100b

上図はそのシート全体を示します。10機種のうち、3機種は創業期から昭和初期までの機体、5機種は昭和後期から現在に至る名機と話題になった機体、2機種は開発中および計画中の機体、という組合せでヴァラェティに富んでいます。

左端上は"アンリ・ファルマン複葉機"、左端下は"ハンス・グラーデ単葉機"で、No.76に記載しました。左から2番目上は"航研機"で、No.80に記載しました。

"YS-11" 戦後初の国産輸送機

Aviation_100_ys11 この機体は敗戦により壊滅した航空産業を再起させたいという悲願のもとに官・産・学が総力を挙げて開発した名機でした。

日本の航空産業は戦時中は世界レベルに達していましたが、戦後のブランクは大きく、それを埋めるために非常な苦労があったと云われます。

構想や基礎設計の段階では、戦時に活躍した著名な設計者が担当しましたが、具体的な設計・製造には、飛行機に触れた事も乗った事もない若手の技術者が携わったのです。

1957年に「財団法人 輸送機設計研究協会」を設立して実務を開始しました。1958年には実物大のモック・アップを造って、関係方面に披露して関心を集め予算獲得を図るなどの苦心談が有りました。
1959年には「特殊法人 日本輸送機製造」を設立、設計に邁進しました。この時期に海外の企業から提携の話が幾つか持ち込まれましたが、純国産の方針を変えませんでした。

1962年に初飛行、1964年には東京五輪の聖火を空輸して実績を示しました。1965年から内外の航空路線に就航し、1973年までに182機を生産しました。YS-11 の機体は純国産でしたが、エンジンおよび電子機器は外国製を採用しました。これは戦後の長い空白期間があったので止むを得ない措置でしたが、事情を知らぬジャーナリスト筋からは酷評される事も有ったと云われています。

YS-11の狙いはローカル路線用で、1200mの滑走路で使用でき、60席以上を備え、航続距離は最大1600km, という性能でした。この目標は充分にクリア出来、且つ耐久力のある機体は好評でした。惜しむらくは国際的な航空機市場に不馴れなために、保守整備の即時対応に難があったと伝えられてもいます。そのため、技術的には成功を収めましたが、生産終了後に後継機種を開発できずに40年が経過してしまいました。

"ASUKA" 短距離離着陸実験機

滑走路の短い地方空港でも使用できる航空機の開発を意図した実験機です。図に示したように特異な形状をしています。研究開発はJAXA (宇宙航空研究開発機構) が担当しました。

Aviation_100_asuka 1962年から研究に着手、1985年に初飛行を行いました。4発で39トンもある巨体ですが、500mの滑走で離陸できました。

当初の目的であった短距離離着陸輸送機の技術可能性は立証出来たのですが、地方空港の滑走路が延伸されたので、本機の出番は無くなり、1機の試作に止まりました。

とは云っても短距離離着陸機に関わる多くの基礎データは得られましたから、別の機会に活用されるものと期待されます。なお、試作機は各務ヶ原の航空科学館に保存・展示されています。

"T-4" 航空自衛隊・中等練習機

Aviation_100_t4 本機はプロペラ機による初等訓練を終えたパイロットがつづいて訓練する中等練習のために製作された亜音速ジェット機です。

1985年初飛行し、1988年から量産化されました。生産は川崎重工・三菱・富士重工が機体を、IHI がエンジンを担当しました。性能諸元は、速度 マッハ 0.9, 航続距離 1300km, 乗員 2名です。

全国各地の空自基地で行われる航空祭において、華麗な飛行を展開する "ブルーインパルス" の乗機として有名です。

                             <以下次号>

                            

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