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2013年11月19日 (火)

No.100:電電宮ー電気・電波の神様

京都の名所 渡月橋を渡った処に、「法輪寺」という古刹が有ります。古くから「嵯峨の虚空蔵さん」として信仰を集めてきたのですが、その境内に鎮守社として「電電明神」が奉祀されています。

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電電明神は電電陰陽融合光源の徳を祖とするということで、云わば雷、稲妻の神様です。今日流に解釈すれば電気祖神であり、電波祖神と云えるでしょう。法輪寺境内には古くからこの電電明神をお祀りした電電宮のお社が在り、広く住民から崇められて来ました。

Photo左図に示す掲示には、電電宮の由緒が記されています。その全文は次のとおりです。

「電電宮について
電電宮は当法輪寺の鎮守社五明神の一つである電電明神が奉祀されており。古来電電陰陽融合光源の徳を祖とした鎮守としてあがめられてきた。
今日で云う電気電波の祖神が祭祀されている。同宮はば幕末の兵火で焼失したが、昭和四十四年電気電波関連業界の発展と繁栄を新たに祈願する趣旨から、新社殿の再興がなされて今日に至っている。
電力、電機電子、電波の発展は人類の生活文化向上に大きく貢献し、世界の平和と繁栄に不可欠なものであり、その祖神を奉祀する電電宮は広く電気、電波関係者より崇敬されている。
                     法輪寺電電宮護持会 」

電電宮の起源は古いのですが、ある時期までは全国的に知られてはいませんでした。昭和31年に当時の近畿電波監理局長の平林金之助氏は、電気・電波の祖神をを崇敬し、この世界の先覚者の霊を顕彰すべきであると主張し、業界有力者の賛同を得て電電宮の改修と電電塔の建設が行われました。

電電塔の後方壁面の銅彫胸額には電気、電波先覚者を代表して左側に電波のドイツ人ハインリッヒ・ルドルフ・ヘルツを、右側に電気の米国人トーマス・アルバ・エジソンを選び掲げられています。日本の寺社の建造物に外人の像を設置するというのは、極めて珍しいケースではないかと思われます。

Photo_2

前図は電電塔の全景です。両氏のレリーフを次図に示します。

Photo_3 Photo_5

 ハインリッヒ・ルドルフ・ヘルツ   トーマス・アルバ・エジソン  

電電宮は、昭和44年には万国博を記念して、今日の新社殿に成りました。
その前後から、電子・通信・情報の分野は目覚しい発展を遂げ、日本は電子技術で世界に覇を唱えるに至りました。それに伴い、関係業界からの発展と繁栄を祈願する参詣者が全国から訪れるようになりました。

電電宮のお守りには電気・電波の神様に相応しいユニークなモノが見られます。次図はその一例です。

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左図はケータイに貼り付ける様式のお守りです。右図はケータイ用のメモリーカードに虚空蔵菩薩の画像データが入っているという特異な様式のお守りです。むろん、多くの社寺に見られる様式のお守りも有ります。 

また、近年の急激な情報技術の発達に伴い、IT業界からの祈願が急増しているそうです。そうして切実な願いを吐露した祈願の文章が数多く見受けられます。

膨大なステップのプログラム作成に際しては、細心の注意を払っても 、不可抗力に近いバグの内在を絶滅するのは困難だからかも知れません。
ただし、「困った時の神頼み」という低次元の話ではなく「人事を尽くして天命を待つ」の心境だと忖度したいものです。
 

ともあれ、古くからの素朴な信仰と最先端の科学技術が結びつくのは、日本独特の風習かも知れません。しかし、そのような謙虚さが精緻な成果を齎すのに結びついているのではないでしょうか。

次図は、その祈願の文章の一例です。思わず嘆声を発したくなります。

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電電宮は法輪寺の境内に在るのですが、そのお寺も由緒ある名刹です。
左図は法輪寺本堂の全景、右図はその由来を記した掲示板です。
その全文は下記の通りです。

Photo 3

「 法輪寺
真言宗五智教団の京都本山で、和銅六年(七一三)、天明天皇の勅願により行基が創建した。
天長六年(八二九)に弘法大師の弟子道昌が中興して、虚空蔵菩薩を安置し、貞観十六年(八七四)には伽藍が整えられ、寺号を「葛井寺」から「法輪寺」に改めた。
平安時代には清少納言の「枕草子」の寺の段において、代表的な寺院として挙げられるなど、多数の参詣で隆盛した。
その後、応仁の乱や蛤御門の変で戦火を受けたが、その都度再建した。
本尊虚空蔵菩薩は、「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれ、智恵と福徳を授かるため、数えの十三歳の男女が全国から「十三まいり」に訪れる。
平安時代には清和天皇が廃針を納めた針堂を建立したことから、針供養が行われるほか、惟喬親王の故事により漆寺としても知られる。
また、境内には電気・電波守護の電電宮社が祀られている。
                           京都府    」

このように由緒あるお寺の境内に、電電明神が祀られ、しかも先端技術を誇る業界からも尊崇を得ている事は、日本人の特性の一断面でしょうか。
                              <以上>

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