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2013年11月23日 (土)

No.101:「出陣学徒壮行の地」 碑を訪れる

東京・代々木の国立競技場の一隅に「出陣学徒壮行の地」碑が有ります。これは太平洋戦争(大東亜戦争)の末期に、それまでは徴兵猶予されていた大学生(文系)を軍人として戦地に赴かせる事になり、その壮行式が挙行された事を、後世に伝えるために建立された碑です。

一般には殆んど知られていないようですが、東京五輪のために同競技場を拡張する計画が報じられ、それに伴って碑が撤去されるという噂が流れました。嘗て、この碑の建立に尽力した方々や関係者が、それを憂えて存続の運動を起こし、国会でも論じられました。その結果、工事中は一時撤去しても、完成時には然るべき場所に再建する、という運びになりました。

老生は一時撤去の前に、見ておこうと思い、先日出かけました。

A B

左図はその全景です。右図は、その碑の部分です。全景の右側の掲示板は由来を記したものです。
碑石はかなり大きなものですが、その「出陣学徒壮行の地」の文字は読み難い感じがしました。文字は大きく、彫りは深いのですが、周囲の光線の関係でしょうか。

その下の銅版レリーフには由来が記されているのですが、これも読み易くはありませんでした。

D_4
碑の右に在る掲示板には、同一の文が示されていて、こちらは、かなり明瞭に読取れました。

全文(掲示板)は下記のとおりです。

「 次世代への伝言
   -出陣学徒壮行碑に寄せてー

昭和十八年(一九四三)十月二日、勅令により在学徴集延期臨時特例が公布され、全国の大学、高等学校、専門学校の文科系学生・生徒の徴兵猶予が停止された。この非常措置により同年十二月、約十万の学徒がペンを捨てて剣を執り、戦場に赴くことになった。世にいう「学徒出陣」である。
全国各地で行われた出陣行事と並んで、この年十月二十一日、ここ元・明治神宮外苑競技場においては、文部省主催の下に東京周辺七十七校が参加して「出陣学徒壮行会」が挙行された。折からの秋雨をついて分列行進する出陣学徒、スタンドを埋めつくした後輩、女子学生。征く者と送る者が一体となって、しばしあたりは感動につつまれ、ラジオ、新聞、ニュース映画はこぞってその実況を報道した。翌十九年にはさらに徴兵適齢の引き下げにより、残った文科系男子および女子学生も、軍隊あるいは戦時生産に動員され、学園から人影が絶えた。
時流れて半世紀。今、学徒出陣五十周年を迎えるに当り、学業半ばにして陸に海に空に、征って還らなかった友の胸中を思い、生き残った我ら一同ここに「出陣学徒壮行の地」由来を記して、次代を担う内外の若き世代にこの歴史的事実を伝え、永遠の平和を祈念するものである。

平成五年(一九九三)十月二十一日
      出陣五十周年を記念して
                           出陣学徒有志 」

なお、"次世代への伝言 -出陣学徒壮行碑に寄せてー" の標題は元の銅版レリーフには有りません。標題としては "由来" としてあるだけです。

この碑は生き残った出陣学徒の方々が、不幸にも戦没された仲間を慰霊し、その業績を後世に伝えたい、との意図で造られました。その建立にあたっては関係の諸官庁と何度も折衝したそうです。
また、碑の文字は日本画家で芸術院会員の大山忠作氏の揮毫によるものだそうですが、その大山氏はやはり動員された方で陸軍第3期特別操縦見習士官でした。

当時、老生は出陣された学徒の方々より数年の年下でしたから、軍隊に召集されませんでしたが、勤労動員ということで軍需工場で兵器の生産に汗を流した経験を持ちます。むろん、授業は棚上げされました。

戦後も70年を経れば、往時の事跡を知る者は極めて僅かしか残っていません。このような記念碑を忘却・埋没すること無く、長く後世に伝えたいものです。                             
                              <以上>

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