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2014年1月 6日 (月)

No.104:企業博物館展を見て来ました (2)

前回に続けて企業博物館での展示を紹介します。 

90a_1_2 90b_3現在では世界トップの自動車メーカーですが、その源流は故豊田佐吉氏が創業した自動織機のメーカーでした。

その企業が自動車生産に乗り出した頃には、欧米では既に自動車産業は確立していましたから、無謀の極みであると云われました。
しかも、海外からの技術協力に依らず独力で開発・生産に踏み切ったのです。(他のメーカーは海外メーカーと提携し、その国産化から始めました。)
幾多の苦難・障壁を乗り越えて質・量ともに世界トップの座を獲得したのは創業以来の先人たちの努力の結晶と称えられます。
左図のトヨタA型は、本格的な乗用車として初めて世界水準に達した記念すべき名車です。
トヨタ博物館には自社製品だけでなく、内外の名車の展示も有ります。

104_1 オリンバスは古い歴史を持つ光学機器メーカーです。顕微鏡の国産化から出発しましたが、カメラの生産にも進出し、多くの名機を生み出しました。
顕微鏡の主要市場は医学分野であったので、医学界との交渉は深かったのですが、「胃カメラ」の開発に成功して、世界的にも有名になりました。
胃カメラの開発に関わる試行錯誤の経過は、嘗てNHKの"プロジェクトX"で詳細に報じられた事が有ります。
とにかく、以前は全く知る事のできなかった患部を目視出来るようにしたのですから、世界の医学界に大きな衝撃を与えました。
同社のミュージアムは「瑞古洞」と称していますが、味のある命名だと思います。同社のカメラ・レンズには"ズイコー(瑞光)"と云うネーミングが付いていましたが、それに由来するのでしようか?
同社は近年に、経営陣の不祥事が発覚して話題になりました。優秀な技術陣を持つのに、一方で醜態を晒したのは残念な事です。

105_1105b_2 トッパン印刷㈱が運営する印刷の世界を網羅した総合博物館です。
このミュージアムの目玉に、徳川家康が造らせたという"駿河版銅活字"が有ります。一般に活字と云えばグーテンベルヒの名を想起しますが、東洋の島国の武将が、このような分野をも手掛けたというのは驚きです。
その他にも古今東西の印刷技法とその成果としての印刷物を多数展示して在り、印刷に関る集大成と見て良いと思われます。

110_1110bこれは王子製紙㈱の運営する紙の世界の総合博物館です。
このミュージアムの目玉は"百万陀羅尼"でしょう。これは726年に造られた最古の印刷物と云われます。歴史的にも貴重な資料で、 このようなモノが 民間私企業の博物館によくも収蔵されているものだと感じます。
とにかく、紙についての種類・製法・使用形態など多岐に渡っています。


94a_194b_1 日本郵船は嘗ては、準国営の企業で世界に冠たる商船隊を活躍させていましたが、すっかり事情が変わりました。
それでも世界の海運界に相応の地位を占め、また栄光の歴史は現存します。
横浜港に近い風格ある日本郵船ビルの1階がミュージアムになっています。
明治期の日本海海戦の折の史料や昭和初期の太平洋航路の華麗な記録、太平洋戦争時の悲劇、戦後の復活、などが察知できます。
同施設は、メーカーのミュージアムとは趣が違いますが、貴重な存在に思われます。

ここに紹介したのは、同展のパネルの内のほんの一部です。何しろ日本には500余の企業博物館があるそうですし、この展示でも200余施設ほど採り上げたと云います。ここでは省略しましたが、老生が興味を牽かれた施設を下記に列記します。

竹中大工道具館・大林組歴史館・容器文化ミュージアム・アド ミュージアム・日本ペイント ミュージアム・がす みゅーじあむ・電気の科学館・日本新聞博物館・虎屋文庫ギャラリー、などです。

とにかく、厳しいと云われる現代の日本にも、これほどの民間文化施設が存在するのとは、いささか驚くとともに、希望を見出しました。これらは公共的なミュージアムと違い、企業経営の社会還元の一環としての文化事業という位置づけで行うわけですから、資金も人手も乏しい事と思われます。
実は老生はある機会から、某メーカーの技術史料館を立ち上げるプロジェクトの末端のお手伝いをした経験が有るので、身に沁みて感じ入った次第です。
                            <以上>




 
  

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