無料ブログはココログ

« No.105:東芝未来科学館の見学 (1) | トップページ | No.107:東芝未来科学館の見学 (3) »

2014年2月19日 (水)

No.106:東芝未来科学館の見学 (2)

11azImg_325867_36260048_0_4東芝の前身である東京電気の名前が市民に広く知られるようなったのは「マツダ・ランプ」の発売からだと思われます。1890年に白熱電球の製造に成功してから、次第に設備を拡張し生産量は増えました。1911年に至って世界的な統一商標である「マツダ」の使用が認められ、これを契機として大々的なキャンペーンを実施したのです。
「マツダ」の名称はゾロアスター教 (拝火教) の光の神に由来するもので、世界の有力メーカーが共通して使いました。
余談ながら、老生の子供の頃には「マツダ・ランプ」の広告はあらゆる媒体に登場していました、今でも記憶している程です。

こうして白熱電球の分野では世界水準に達したのですが、その後に電球の発達史に記される2大発明が生まれました。
21b12_221b11_2その一つは "2重コイル電球"です。1921年に、三浦順一技師が発明しました。
これは、効率を上げるために、単コイル・フィラメントを、もう一度コイルに巻いた構造を開発したのです。
この工夫により、フィラメントの蒸発が少なくなり、ガスによる熱損失が軽減されました。左図は、その発明品、右図は三浦技師です。


21b22_221b21_2 もう一つの発明は"内面つや消し電球"です。 1925年に不破橘三技師により開発されました。電球の明るさを増すと、"まぶしさ"も強くなりますが、これを防ぐために"すりガラス" を使い、光を拡散させる手法が考えられました。
しかし、ガラス球の外面に施すと汚れ易い欠点を生じます。そこで不破技師はガラス球の内面を化学的手法により"つや消し"にする手法を創案したのです。

「マツダ」の商標は真空管にも付けられました。1906年に米人ド・フォレストが三極真空管を発明しましたが、東芝は1917年に国産化に成功しまし"オーディオンバルブ"の名称で発売しました。(次図)

74 この時期には、未だラジオ放送は出現していませんでしたから、市場の見通しは不透明だった筈です。それでも先端技術に挑戦した姿勢には先人から伝えられた社風によるものでしょうか。(世界初のラジオ放送は1920年に米国で創始されました。日本では1925年です。)

その頃は、学者・研究者が実験室で手造りして、その特性を調べ応用を模索していました。電子機器の主要素子として量産されると予想した人は少なかったと思われます。
マツダ真空管は、その後のラジオ放送を契機として、質・量ともに飛躍的発展を遂げ、日本標準の地位を占めました。

1925年には日本初のラジオ放送が開始されました。これに対応して数社からラジオ受信機が発表され、東芝は自社製の真空管を組み込んだモデルを発売しました。

81 左図はその一例です。ジュノラⅢA型と称しました。外観からの印象では何やら計測器を想わせる厳めしさを感じます。回路の詳細は不明ですが、多分、再生検波3球式ぐらいではないかと推定されます。
(その頃、真空管は高価であり、またスーパーヘテロダイン方式は超高度の技術でした。)

他社のラジオ受信機は、比較的低価の"鉱石ラジオ"が多かったようですが東芝は"真空管ラジオ"に拘ったようです。真空管の先駆者として当然な事でしょう。
このジュノラ・シリーズは数機種が有り、並んで展示されていました。なお、このような計測器めいたデザインは次第に改められ、数年後には、馴染み易いいわゆる"真空管ラジオ"の外観を呈するようになりました。

東芝は家電機器のパイオニアとしての実績も有ります。家庭電化などというコトバが無かった時代から、各種の家電機器を生産していました。1940年ぐらいまでに発表した製品を次に列挙してみます。

扇風機 1894年、 電気アイロン 1925年、 電気洗濯機 1930年、
電気冷蔵庫 1930年、 電気掃除機 1931年、 蛍光灯 1940年、

などです。どれも価格は庶民の収入からすれば極めて高価な製品でしたから購入できる家庭は僅かでした。老生の幼少時 家庭には、電気アイロンとラジオしか有りませんでした。
なお、蛇足を云うと、これらの電化製品は大戦中は殆んど生産中止に追い込まれました。(ラジオだけが例外でしたが。) 
                                                        <以下次号> 

« No.105:東芝未来科学館の見学 (1) | トップページ | No.107:東芝未来科学館の見学 (3) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/575020/59161704

この記事へのトラックバック一覧です: No.106:東芝未来科学館の見学 (2):

« No.105:東芝未来科学館の見学 (1) | トップページ | No.107:東芝未来科学館の見学 (3) »