無料ブログはココログ

« No.147:デッド・コピー物語:キャッチ・アッブの時代 (5) | トップページ | No.149:「電車」という語の誤用・乱用 (2) »

2016年4月26日 (火)

No.148:「電車」と云う語の誤用・乱用 (1)

近時、多様な鉄道車両を「電車」と云うコトバで一括する傾向を散見します。ドラマでの俳優の科白、ニュース番組などで識者の発言、小説の中の描写、等々。
これに関して老生は異議を唱えたくなります。

老生の独断と偏見では、鉄道車両は「電車」「気動車」「列車」に大別されると思います。


手元の国語辞書で「電車」を調べると「主電動機を備えた客車または貨車および、これと連結運転される客車などの総称で、これに軌道あるいは空中に架した電線から電流を伝えて運転する」と有りました。まことに精緻な説明で鉄道の専門家も肯定すると思われます。

71

上図は「電車」の一例で、東京近郊を走る私鉄の車両です。新幹線・地下鉄・モノレール等も「電車」に該当します。

次の「気動車」を見ると「内燃機関を持つ客車および、これと共に連結運転される客車」と有ります。下図は「気動車」の一例で五能線を走る「しらかみ」です。
11_2

「気動車」の動力源はディーゼル・エンジンまたはガソリン・エンジンです。その燃料も搭載しますから「電車」のように電力を供給する架線は不要です。この架線の有無が著しい差異です。
ところが「気動車」というコトパは、馴染み難いらしく一般には定着していないようです。乗客からすれば、同じような車両に見えるので、先に出現した「電車」というコトバを、そのまま使うようになったのでしょうか?

ここで、老生は「気動車」の「気」に引っ掛ります。何に由来するのでしょうか? 数冊の辞書や専門用語集を渉猟しましたが、語源についての記述は見つかりませんでした。やっとウィキペディアで関係の有る記載を見つけました。
それによると「蒸気動車」と云う車種が存在したそうです。蒸気機関を客車に備えた車両のことで、輸送規模の小さい地方私鉄で使われました。その後、動力源としてガソリン・エンジンを搭載したガソリンカー、ディーゼル・エンジンを積んだディーゼルカーが現われ。それぞれ「ガソリン動車」「ディーゼル動車」と名付けられました。
しかしながら、長い名前は馴染み難い上に外見的には「蒸気動車」に似ているので「気動車」というコトバで一括するようになったようです。

老生の迷説を加えるならば、内燃機関は「燃料と空気の混合気体」を爆発燃焼させて動力を発生するのですが、その「混合気体」の「気」を採ったとするならば、何とか辻褄合わせが出来そうです。

ここで視点を変えると鉄道路線には、電化区間(給電設備を備える、大都市と周辺の幹線)と非電化区間(給電設備を持たず、地方の亜幹線・支線)に区別されます。「電車」は電化区間を運行し、「気動車」が非電化区間を走るのは当然ですが、両区間とも、それ以外の車両も存在します。
それは、動力源として機関車が多数の客車を牽引する編成の車両です。機関車には蒸気・電気・ディーゼルの3方式があり、乗客は乗せません。客車は乗客を乗せ、動力源は有りません。

51_sl

上図は、蒸気機関車が客車を牽引する「SL 列車」の一例です。鉄道の初期は全てこの形式で、当初は「汽車」と呼びました。今でも地方の高齢者の中には、全ての鉄道車両を「汽車」で片付ける人がいます。
               <以下次号>

            

« No.147:デッド・コピー物語:キャッチ・アッブの時代 (5) | トップページ | No.149:「電車」という語の誤用・乱用 (2) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/575020/63541384

この記事へのトラックバック一覧です: No.148:「電車」と云う語の誤用・乱用 (1):

« No.147:デッド・コピー物語:キャッチ・アッブの時代 (5) | トップページ | No.149:「電車」という語の誤用・乱用 (2) »