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2016年6月19日 (日)

No.151: 文系指導層の理系感度、舛添氏辞任に関連して

先頃、辞任を表明した舛添都知事は、美術に造詣が深く、内外の美術館・博物館を数多く訪問し、作品を鑑賞したと某新聞は報じています。さらに記事は敷衍して福利・厚生・医療・教育・育児などの施設を視察・調査することは極めて少なかったとも記していました。これを見て、老生は先端科学の研究施設やハイテク技術の生産現場などを訪れたのは皆無ではなかったか、と想像を逞しくします。

ここで舛添氏を槍玉に挙げましたが、他の為政者諸侯も似たり寄ったりだと思われます。科学・技術に関りのある文部科学省・経済産業省・国土交通省・厚生労働省・総務省などの大臣・政務次官クラスの政治家諸侯も大同小異だと思われます。理系分野についての学識は、中学生レベルも怪しい方が多いのではないかと忖度します。それ故に科学・技術に対する関心・感度は高くないのが実情でしょう。

海外の為政者を引き合いに出すのは、老生の好みでは有りませんが、先進国の首脳者は科学・技術に相応の関心を持ち理解を示し、政策にも反映とせる例が少なくないようです。
例えばオバマ大統領は来日の折に、寸暇を割いて「科学未来館」を視察し、居合わせた高校生にショート・レクチュアをしました。(先の伊勢志摩サミットよりも前の来日の時です。)
蛇足を云うと、日本の報道機関は、銀座の鮨店で安部首相と歓談したことは何度も報道しましたが、科学未来館の件は殆んど触れませんでした。

また、米国の歴代大統領は就任演説などの中に、推進すべき科学技術に言及しています。ケネディの月探査計画は余りにも有名ですが、「スマート・グリッド」「ナノテクノロジィ」「情報スーパーハイウェイ」「ゲノム解読」等々が数えられます。
蛇足ですが、日本の報道陣は、これらの専門用語に触れて、その内容理解に四苦八苦したそうです。

古い事例では, 1985年の「つくば科学博」を英国のサッチャー首相が視察し、帰国後に英国の関係方面にハッパを掛けた、と伝えられます。さらに云うと「つくば技術博」であって「科学博」と称するのは不適切だとの辛口の批評もあったそうです。因みにサッチャー氏は化学を専攻しました。
現在のドイツのメルケル首相は物理学を専攻しました、当然、理系分野について一通り以上の見識を備えていると思われます。中国に至っては首脳陣は理工系大学卒が過半を占めているそうです。

嘗て、民主党が政権を得た時に、閣僚級に理工系大卒が4人ほどいたので「理系内閣」とジャーナリズムは囃したてました。ただし、その施策は期待に反しました。事業仕分けとやらで、多くの重要研究テーマを潰しにかかりました。この時、スーパーコンピューターを論難した蓮舫氏は「2番ではダメなのか」との愚問を発し、失笑を買いました。また、枝野氏は「問われた事に応えろ、議論の場ではない」と暴言を吐き「説明のしかたが悪い」と逆ギレしました。
「はやぶさ」が世界に誇る業績を挙げた直後に、東京駅前に在ったJAXA の展示施設は閉鎖されました。彼らの暴挙の一例です。

同じ頃に、東京には「科学博物館」「科学技術館」「科学未来館」と似たような施設が在って整理統合すべきだ、との論が盛んでした。政治家のみならず、テレビのワイドショーでは某大物芸能人が尻馬に乗った発言をしていました。この時には元宇宙飛行士の毛利氏らが必死に反論を展開して、事無きを得ました。この時も、上記の3館を自分の目で見た論者はゼロに近かったようです。

以上、舛添氏の言動に端を発して、思いつくままに書き進めて来ましたが、結局は永年の陋習である「文高理低」の官僚制度と社会の仕組みの然らしむところと思いたくなります。そうして、そのツケは20年に及ぶ経済停滞に止まらず、国力の衰退・国際地位の低下という窮境に及んでいるのではないでしょうか?

                          <以上>

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