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2017年3月26日 (日)

N0.168: アンドロイド漱石の講演を聴講

11b3月25日、 東京・九段に在る二松学舎大学のオープン・キャンパスにおいて、「夏目漱石(漱石アンドロイド)による講演」が公開されました。
漱石は東大で学ぶ前に、二松学舎で漢学などを学んだ時期があったそうです。
同学は創立140年記念事業として夏目漱石の姿や音声を再現したアンドロイドを、大阪大学・石黒研究室の協力の下に完成させました。
03b 左図は同学1号館・中州記念講堂における実演の全貌です。数百人を容れると思われる講堂の演壇中央に漱石アンドロイドが位置し、「私の個人主義」と題した演説を再現しました。この演説は漱石が1912年に学習院輔仁会で行ったものの要約です。
漱石アンドロイドは時に身振りを交えて語り、表情にも変化が感じられました。その発声にも抑揚があり、漱石の実際の講演は、かくも有らんと思わせる臨場感が有りました。

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上左図は正面を向いた姿勢、上中図は右手でゼスチュアを、上右図は左手でゼスチュアを示していますが、その動きはスムーズで、在来のロボットに比して格段の進歩が感じられました。

このプロジェクトの由来や経過については、同大学が配布した資料に詳述されています。それによると、近代文学の礎を築いた文豪・漱石の姿を最先端技術で再現し、新しい文学研究や教育への可能性を探ろうという未踏分野への試みであったようでした。
14bプロジェクトの中心は二松学舎大・文学部、阪大・石黒研究室、朝日新聞社ですが、早大・石川博研究室、千葉工大・鈴木英男教授らが協力したと記しています。また、業者としては㈱エーラボ、大塚製靴、東京衣裳などが加わったそうです。
漱石が活躍していた時代には、記録媒体としてはモノクロ写真ぐらいしか有りませんでした。録音・録画(動画)に関する機材は殆んど無く、有っても極めて不完全なモノでした。
頭部の作製には、朝日新聞が所蔵するデスマスクを3Dスキャンしたデータを用い、胴体や手足はデスマスクのサイズを基準とし写真と比較して推算したと書かれています。
音声については蝋管式録音機で録音した蝋管が残されていましたが、再生装置は既に失われていました。別に漱石の顔の骨格から、推定再現した祝辞が熊本大に有りますが、遺族は似ていないと評したそうです。結局、漱石の孫の房之介氏が起用されて、声優の役を演じたそうです、直系の血筋であり、体格・骨格も類似しているとの判断に依ったとの由です。
その他、服装・持ち物などについても、細部に至るまで調査・検討を重ね、往時の実態に迫るようにしたと称しています。
13 左図は漱石アンドロイドの製作の主役であった石黒浩教授(左)と音声を受け持った夏目房之介氏(右)を示します。

この漱石アンドロイドの講演を聴講し、配布資料に目を通しましたが、文学史や文学作品の研究に新しい手法を齎したのではないかと感じました。
また、文理融合の研究の在り方に一石を投じたと云えるのではないでしょうか?

                <以上>

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