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2018年10月28日 (日)

No.202 : 迷論、格差に関わるモロモロ (5)

[ 意見表明の場についての格差 ]
   西欧の金言に 「雄弁は銀にして、沈黙は金なり」 というのが有りました。また、中国の論語には 「巧言令色、仁少なし」 との記述が有ります。どちらも巧みな話術で相手を説得しようとしたり、好い評価を得ようとする人はあまり信用できない、というニュアンスが感じられます。
__2  しかしながら、現代では 「発言しない人、自分の意見を表明しない人は、存在しないのに等しい」 と見なされます。
  多様化・複雑化した現代社会にあっては、為政者・指導層の人々が如何に博学・多識であっても、世の全てを知り判断することはできません。
  それ故、多くの人々からの意見・情報を求めるのですが、求められる側も、それに応え得る識見と表現力を持つ必要が有ります。 また、求められるより前に、市民側からの積極的な発言も望まれます。
  書店や図書館を覗くと 「表現力・発表力」 を説く本は多数見受けます。それだけ需要があるからでしょう。
  ところが、表現力・発表力を磨いても、それを発揮する場に恵まれるか否かによって、社会に与える影響には大きな格差が存在すると老生は愚考します。
 
  現今の日本では、テレビのニュース・バラエテイ番組などに登場する、評論家・コメンテータ・芸能人などは 「勝ち組」 と見て良いでしょう。彼等は、政治・経済・社会などの諸問題について、大胆に切って捨てるような発言をします。さらに教育・学術・芸術のように深い専門的な造詣を要する分野でも臆面もなく論評するケースも多々見られます。
  反対に、専門分野について高い見識を持つ人物でも、マスメデイアに知られていない人材は、その意見を表明する機会が無いのが実状です。
                                      
    嘗て民主党が政権の座に在った時に 「事業仕分け」 で、スーパー・コンピュータを俎上に上げ、あわや廃止かという寸前に旧帝大および早慶の学長が抗議の声明を発表して、辛うじて食い止めた事例が有ります。この時に、マスメデイアの人気コメンテータらは沈黙したままでした。彼等は、国策に関わり、しかも専門知識を要する分野には、何らの見識も示せなかったのです。
  さらに、東京には科学博物館が3ケ所もある、無駄だから集約すべきだ、との論が有りました。この時に某芸能人は司会する番組で話題にして賛意を示しました。
問題にしたのは、上野の"科学博物館"、九段の"科学技術館"、お台場の"科学未来館"でした。それぞれが方針を持ち特徴のある展示をしているのですが、その芸能人は実地の見学・調査もせずに放言したのでしょう。
  この2例は、マス・メデイアでの人気識者?の発言が好い加減である事例です。2件とも、真の学識者の行動により大事には至りませんでしたが、類似の事象は今後も絶えないでしょう。

  全国に在る大学の殆どは校友会冊子を発行し、卒業生や在校生の父兄に配布しています。その中に 「私の学生時代・・・・」 というような記事がかなりの頻度で掲載されています。
Photo   その筆者は卒業生の中の知名人ですが、その記事には、「殆ど勉強しなかった。卒業論文を提出しないで、何とか卒業できた・・・・・」 と云うような記述が屡々見受けられます。
  筆者は現在、それぞれの分野で活躍している方々ですから、往年の乱行・愚行は "若気の至り" であって、今となっては "笑い話" であり、時効でもある、として看過しても良いのかもしれません。
  しかしながら、このような文章の筆者は概ね文系を卒業し、文芸系の仕事をしている方です。校友会冊子の編集者は、非文系の卒業者は生硬で面白味のない文章しか書けない、との先入観を持っているのでしょうか?
  老生は文芸系の人々は、このような文章でも発表の機会が有るのに、非文芸系の人々は執筆の機会が閉じられているのではないか、と感じます。 これも格差の一種ではないか、云うのは無理筋でしょうか?

            <以上>                                 

 


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